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  医療従事者用のネームホルダ
医療従事者の業務特性として患者様と身体を接触する機会が多いことが挙げられます。特に車椅子へ の移乗やベッド上体位変換の際などに顕著です。
この業務特性から、通常のネームホルダー(名札)を胸ポケット部に使用すると、ネームホルダが患者様 に顔面等に接触し皮膚外傷を発生させるリスクが存在すると考え、改善方法の検討を開始しました。
当院では、アクリル製の彫刻名札やワープロ名札(図1)を使用してきました。これらのタイプが外傷を 引き起こした報告は現在のところありませんが、移乗介助などで名札がスタッフの胸ポケット部と患者様の間 に挟まる場合が場合があり、安全性の視点から改善すべきとの意見出始めました。
そのような経緯から、当院では2005年6月よりネームホルダ再検討に入り、様々なタイプをテストしてき ました。どれも些細なアイディアですが、何かの参考になればと紹介させて戴きます。
  これまでテストしたサンプル
最初の発想はネームホルダ自体の素材を軟質に変更することでした。軟質のネームホルダは多数市販されていま すが、多くは名刺サイズです。当院では軟質で名刺サイズより一回り小振りなA8サイズの製品からテストを開 始しました。

1) ネームホルダの固定はクリップか安全ピンによるものが主流ですが、安全ピンは装着出来る部位の自由度は高 いものの、患者様と強く接触しても外れないため安全性に劣る(強く接触した際は外れた方が安全)と判断し 採用しないことにしました。
クリップによる固定は強い接触時に脱落しするので、その面では比較的安全が高いと思われましたが、装 着位置がクリップ使用可能な部位に限定されるため自由度が低く、さらにポケットの無いユニホームやエプロ ンでは使用できません。
そこで、それ以外の装着方法としてテストしたのが直径 10mm のアメリカンスナップ による固定方法です。アメリカンスナップは手芸店で簡単に入手出来ます。(図2の右側)

2) アメリカンスナップは専用のスナッププライヤーを用いることにより、ユニホームのどの位置にもスナップを装 着できます。ネームホルダはスナップ接続部分を軸として回転するため、患者様と接触しても回転運動により接 触の外力を逃がすことが出来るのに加え、強い接触ではスナップ自体が外れるので安全性は高いと思われました。 (図3)
しかし、外力によるネームホルダの脱落は患者様の安全から観ると好ましいものの、介護の状況によっては トイレの床面に脱落する場合も起こり得るため、紛失や衛生面での問題点が指摘され始めました。
  現在使用中のネームホルダ
アメリカンスナップ式の脱落時対策を考える過程で、再浮上した案が首からストラップで吊るすタイプのネ ームホルダです。
このタイプはビジネス世界だけでなく医療分野でも採用している施設が多いタイプで、当院でも早期か らテスト開始しましたが、医療施設で使用するという前提で考えた場合、以下の問題点が指摘され採用候補 から外されました。


1)食事介助時に前屈姿勢をとった際、ネームホルダが垂れ下がり食器に入りそうになった。
2)移乗時に膝を曲げ患者様と向き合い前屈姿勢をとった際、ストラップをつかまれた。

等、前屈時をとった際の問題点が指摘され、当初は長期テストサンプルからも外されました。
しかし、前屈時の問題さえクリアすればソフトな材質でストラップを用いるタイプは床に落下し難く、患 者様の皮膚外傷を発生させる可能性が低いメリットが見直され、再検討開始しました。
様々な方法をテストした結果、採用されたのはストラップのクリップとユニホームのそれぞれにマジック テープのオスとメスを貼付する方法です。クリップ側には両面テープ、ユニホーム側にはアイロン熱着タイプ のテープを使用し両者を結合させることにより、ネームホルダーが裏返ることがなくなり、前屈時の問題も軽 減することが出来ましたので、現在は名刺サイズでストラップ使用タイプの製品をテスト中です。 (図4)(図5)
今後はマジックテープの耐久性等に関する問題が発生する可能性がありますので、気長にテストと改良を 続ける予定です。