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  PDCAサイクル
「PDCAサイクル」は情報処理やITシステムの品質管理で日常的に用いられる用語です。

 Pはプラン(Plan)--------計画作成
 Dは実行(Do)-----------計画実行
 Cはチェック(Check)-----結果評価
 Aはアクション(Action)--計画見直し

を表します。物事を改善するのに一回で理想的な状況に到達できるケースは、どの分野においても稀でしょう。 通常は何度も失敗と見直しを繰り返しながら、少しずつ理想へ近付いてゆくことが出来ます。 プランを立案し、実行し、チェック(評価)し、改善へのアクションを起こし、再びプランを立てるという継続的 な活動はコンプライアンス・プログラムと呼ばれます。
情報処理の世界ではPDCAサイクルによる継続的活動(コンプライアンス・プログラム)の存在は高い品 質のプログラムを生み出す上で、また高い情報セキュリティレベルの確保に欠かせないものとされています。
システムが高いレベルに到達するには、大規模な見直しを行った後、次回まで長期間変更しない方法より、 小変更でもPDCAサイクルを継続的に行う手段を用いる方が効果的であるという考え方が、一般的に認められ ています。
これらは欧米から導入されたシステム管理の概念ですが、欧米においても日本と同様に物事の改善にプラン (P)と実行(D)が重要視されて来ました。しかし近年、チェック(C)やアクション(A)を十分にサポー トする重要性と効果が広く認められ、現在ではPDCAサイクルが情報システムだけでなく企業の競争力を高め る手段として広く認知されています。

  看護過程との関連
看護過程は看護やケアの高い水準を確保するための一連のルーチンな思考過程とされ、次の5段階から構成 されている概念です。(図2)

情報収集→情報分析→計画立案→計画実行→結果評価

看護過程は上記の5段階を何度も繰り返すことにより、看護の質を向上させることが出来ると考えられていま す。表現を変えると、5段階を一回りしただけで結論にたどり着くことは求めていません。これはPDCAサイク ルと同じ考え方です。

フォーカスチャーティグ(Focus charting)は1981年に米国の看護師 Susan Lampe(スーザン・ランピー)が提唱し た看護記録方法で、日本に紹介されたのは1994年と比較的歴史の浅い手法ですが、採用する施設がどんどん増えてい る印象です。この手法ではフォーカス(Focus:注目事項)をきっかけとして3段階のサイクルに入ります。(図3)

D(Data) :フォーカスを支持する主観的および客観的情報
A(Action) :状況に対して実際に行った行為、治療、処置
R(Response):行為・介入に対する患者の結果や反応

NANDA-NIC-NOC は最近の電子カルテ・電子カーデックスの普及に伴い注目されている方法です。これも やはりPDCAサイクルに通じる考え方です。ただし、この手法は判断を要求される情報量が膨大なのでコンピュ ータ(電子カルテ)の助けを借りずに日常業務に取り入れるのは困難だろうと感じます。(図4)

NANDA(North American Nursing Diagnosis):北米看護診断協会
NIC(Nursing Inter Critreria):
NOC(Nursing Outcome Critreria):
  当院での導入ポリシー
POS、フォーカスチャーティング、NANDA-NIC-NOC は各フェーズの名称や通過するステップ数に違い はあるものの、何れも規定されたサイクルを繰り返すことにより高い効果を生み出すという考え方に共通点を見出 せます。これはPDCAサイクルの実践と言い換えても良いと思います。
さらにPOS本来の意味を考えると、看護過程、フォーカスチャーティング、NANDA-NIC-NOCのい ずれも広義のPOSに含まれると考えます。
PDCAサイクルを回し続けることが最重要ポイントと考えると、サイクルを一回りしただけで労力と集中力を使 い果たしてしまい、次のサイクルへのモチベーションや持久力が失われてしまう状況は是非とも避けたいと考えま した。そこでPDCAサイクルを実業務に取り入れる際、当院が重視したのは長期間継続的に回し続けられるよう、 各ステップを軽量コンパクト化する点です。
今日「患者様に的確な治療やサービスを提供するには、職種の壁を超えた協調関係が必要である」という考え方に 異論は無いと思います。その視点で見ると職種毎に別々なPDCAサイクルを独立して回すシステムでは、職種間 でプランの方向性(ベクトル)の差異が生じて問題や混乱を引き起こす危険性を内包しています。 (図5)
そこでスタッフ間で協調の取れた医療やケアを行うにはPDCAサイクルのフェーズ、特にプランのフェーズ を各職種が通過する共有エリアに置き、整合性を図る必要があります。(図6)
この考え方は当院のシステムを構築する際に重要な基本ポリシーとなりました。(以下2項目)
1)PDCAの各フェーズで時間と労力が必要以上に消費され無いようシステムを軽くする。
2)職種間の協調関係を得るためにPDCAサイクルが職種を超えた共有エリアを通過する。